[アップデート] EFS ファイルシステムのライフサイクルポリシーで 1 日を設定できるようになりました
コンバンハ、千葉(幸)です。
re:Invent 2022 が始まりましたね!
EFS ファイルシステムのライフサイクルポリシーで 1 日を選択できるようになりました。
これまでの最短の 7 日より短期間で移行できるようになり、頻繁なアクセスを求められないデータセットをより低コストで保管できるようになりました。
何が変わったのか
以下のイメージです。
Amazon EFS ファイルシステムでは Amazon EFS Intelligent-Tiering という機能があり、ファイルのアクセス状況に応じてストレージクラスを自動的に移行してくれます。
ストレージクラスの移行には以下のパターンがあります。
- 標準ストレージクラスから標準 - IA(Infrequent Access)ストレージクラスへの移行
- その逆方向の移行
- 1 ゾーンストレージクラスから 1 ゾーン - IA ストレージクラスへの移行
- その逆方向の移行
IA ストレージクラスへの移行は「何日間アクセスがなかったときに移行する」というライフサイクルポリシーを定めることにより実現されます。これまで設定可能だった日数は 7,14,30,60,90 のいずれかでしたが、今回のアップデートにより 1 日が設定可能になりました。
IA ストレージクラスに移行されると、保管料金が安くなる代わりに取り出しに料金がかかるようになります。現時点の東京リージョンの標準ストレージクラスを例にとると以下のような料金です。
- 標準ストレージクラス
- ストレージ料金:0.36 USD(GB-月)
- 標準 - IA ストレージクラス
- ストレージ料金:0.0272 USD(GB-月)
- IA アクセスリクエスト:0.012 USD(転送 GB あたり)
ストレージ料金としては 10分の1 以下なので、取り出しが頻繁にないワークロードであればコスト削減が見込めます。
より短期間で IA に移行できるようになったのは嬉しいですね。
やってみた
ライフサイクルポリシーで IA への移行に「1日」を設定した EFS ファイルシステムを作成してみます。
(今回は新規作成で試しますが、既存のファイルシステムのライフサイクルポリシーを変更することもできます。)
EFS のコンソールから「ファイルシステムの作成」を押下。
デフォルトではクイックセットアップとしてある程度パラメータが決め打ちになるので、「カスタマイズ」を選択します。
ストレージクラスは今回は標準を選択します。ライフサイクル管理部の部分で「最後のアクセスから 1 日」を選択し次に進みます。(IA から標準に戻る条件としては「なし」もしくは「初回アクセス時」を選択できます。今回は前者にしました。)
続いてネットワークアクセス(どのサブネットに配置しどのSecuriryGroupを割り当てるか)、ファイルシステムポリシー(ファイルシステムへのアクセスを細かく制御)を設定し、最後に確認をして作成を実行します。(詳細は割愛します。)
IA への移行として「最後のアクセスから 1 日」が設定されたファイルシステムが作成できました。画面下部の「計測サイズ」からそれぞれのストレージクラスがどの程度のサイズを占めるかを確認できます。
↑今回は試しませんが、何か適当なファイルを作成して24 時間置いておけば「標準 - IA」のサイズが増える様子を確認できます。
後からライフサイクルポリシーの変更も可能ですので、ワークロードの状況に応じて変更しましょう。
新しく登場したライフサイクルポリシーの設定を確認できました。
終わりに
EFS ファイルシステムのライフサイクルポリシーで 1 日を選択できるようになった、というアップデートでした。
毎日大量のデータを取り込んで分析し、データを長期間保持するアプリケーション(初回移行はほとんどアクセスしない)では特にストレージコストの恩恵を受けられそうです。
以上、 チバユキ (@batchicchi) がお送りしました。